多摩大橋下流ひょうたん池カウント調査(2016年8月11日)
(2016年7月13日頃に谷地川合流点上流からひょうたん池にねぐらが700m移動したため、名称を多摩大橋下流ひょうたん池集団ねぐらと改めました)
ねぐら入りするツバメの個体数をカウントするために周囲を14地点で取り囲み、出入りの調査を実施しました。今回の参加者は、八王子・日野カワセミ会13名、日本野鳥の会奥多摩支部1名、バードリサーチ1名、多摩川流域ツバメ集団ねぐら調査連絡会1名、その他2名の計18名の参加により実施しました。
1.ねぐら入り個体数
調査の結果、7,954羽がねぐら区域へ入るのが、カウント結果の差引(【ねぐら区域へ入ったツバメの数】から【ねぐら区域から出ていったツバメの数】を差し引いた数)でわかりました。
実際には、各調査地点間が離れているため、調査地点から離れた場所の見落としがあったり、下流側から河川敷を見づらい低い高度で進入するツバメがいたりすることから、何割かのツバメの数え漏れがあるであるだろうと考えています。実際のねぐら入り個体数はもう少しは多いものと考えられます。
ねぐら入りの個体数の真の値を把握することは現実的に不可能(全てのツバメをねぐら入り後に追い出して捕獲して数えれば可能ですが。)なので、永遠に謎は解けないかもしれませんが、少しずつでも、真の値に近づけたいと思っています。
調査を実施した8月11日は個体数のピークを過ぎている(多摩川地区のピークは7月下旬~8月上旬)と思われますが、今回のねぐら入り後のヨシ原をライトで観察した限りでは1週間前と比較して大きくは減っているとは思えませんでしたので、今回のカウント結果を踏まえるとピーク時3万羽という見積りは実際より多そうです。
2.ねぐら入り方向
ツバメは上流方向から集まる傾向があることが、多摩川での既往の調査で示唆されています。今回の調査で、上流の多摩大橋を川沿いに通過してねぐら入りするツバメが全体の約75%を占めることがわかりました。
反対の下流からの進入もやや多く、多摩川沿いがツバメにとって移動経路であることがわかりました。全体の約80%が川沿いを移動してねぐら入りしていることがわかりました。一方、多摩大橋の下を通過したツバメはわずか7羽で、ほとんどのツバメが橋の上を移動することも明らかになりました。
3.ねぐら入り時間帯
また今回は5分頃に通過個体数を記録したことで、日没時点では全体の15%しか集まっていないことが明らかになりました。日没後15分間で急速に増え大半のツバメが集まる事がわかりました。
4.府中四谷橋の集団ねぐらとの関係
今回の調査で明らかになったように集団ねぐらの個体数を把握することは難しいと思いますが、双方を観察した感覚からすると、おそらく府中四谷のねぐらとひょうたん池のピーク時の個体数は同じ程度と考えています。
府中四谷のツバメも上流方向からの流入が多かった実績がありますし、断定はできませんが、ひょうたん池のツバメの多くが上流から集まっている事を考えると、府中四谷橋のツバメが、ひょうたん池に移動した可能性は低いのではないかと考えます。では、府中四谷のツバメはどこに行ってしまったのでしょう?
5.来年に向けて
今回の調査をトライアルとして、得られた教訓をもとに、来年7月下旬のピーク時に調査手法を見直した調査を再度実施する予定です。またご協力をお願いします。
(渡辺仁)
« 上河原堰上流・ヨシ原は復元できるか?その2(2016年8月7日) | トップページ | 【1月21日(土)9時】多摩大橋下流ひょうたん池ヨシ原管理活動参加者募集 »
「ツバメの集団ねぐら情報(多摩大橋下流)」カテゴリの記事
- 多摩大橋下流(谷地川合流点付近の釣り堀付近)(19/5/5)約50羽(2019.05.06)
- 多摩大橋下流(谷地川合流点付近の釣り堀付近)(18/8/5)15,000羽(2018.08.06)
- 多摩大橋下流(谷地川合流点付近の釣り堀付近)(18/8/4)15,000(2018.08.05)
- 多摩大橋下流(谷地川合流点付近の釣り堀付近)(18/7/23)10,000羽(2018.07.25)
- 多摩大橋下流(下水処理場放流口下流側竹林)(18/7/15)10,000羽(2018.07.18)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント